Aurubis、米国で新たな銅リサイクル施設を本格稼働へ


AI時代のデータセンター需要に対応、追加投資も視野

ドイツ・ハンブルクに本社を置く非鉄金属リサイクル大手Aurubis AGは、米国バージニア州リッチモンドに建設した銅リサイクル製錬所の本格稼働を2025年内に開始する計画を発表した。同社CEOのトラルフ・ハーグ氏は、今後さらなる投資の可能性にも言及している。

Aurubisは過去4年間で約8億ドルを投じてリッチモンド施設を整備。この新施設は、複雑な銅スクラップ18万トンを年間処理し、精製銅7万トンを生産できる能力を持つ。ハーグ氏は、「北米市場はスクラップの多くが海外に輸出される一方で、大規模なリサイクル処理施設が不足している」と指摘し、米国内での再資源化体制強化が鍵を握ると述べた。

米国の銅スクラップ輸出、年間96万トン規模 主な輸出先は中国

Trade Data Monitor(TDM)によると、米国は2024年に約96万トンの銅スクラップを輸出。そのうち41%が中国向けで、カナダとタイが続く主要輸出先となった。Aurubisの進出は、輸出依存型のスクラップ処理構造の国内転換を後押しする可能性がある。

ハーグ氏はさらに、「将来的な銅需要の多くは、人工知能向けデータセンターのインフラ整備が牽引する」とし、銅の再生利用が持続可能な供給体制の中核を担うとの見通しを示した。

Aurubisは今後、米国市場でのリサイクル施設拡大に向けた継続的な事業展開を模索すると見られ、銅と非鉄金属の循環経済モデルの確立に寄与する構えだ。

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