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機械やEV向け鋼材需要が中国国内で拡大、BHPは長期的な需要継続に自信
BHPの最高商務責任者(CCO)ラグ・ウッド氏は、中国の鉄鋼メーカーが今後数年間は現行の生産水準を維持し、鉄鉱石価格も80米ドル/トンを下回らないと見通した。背景には電気自動車(EV)や機械分野など新たな需要の台頭がある。
2024年度、BHPの売上の62%は中国市場に依存しており、特にオーストラリア・ピルバラ地域の鉄鉱石と、クイーンズランド州で採掘される原料炭が大部分を占める。
ウッド氏は「中国の住宅市場の減速ばかりが注目されがちだが、機械用途の鋼材需要は全体の30%超に成長している。EV生産や脱炭素関連の投資も拡大中だ」と述べ、中国の需要構造の変化に着目すべきと強調した。
また、中国の粗鋼生産は過去6年間で年10億トン規模を維持しており、複数の産業に支えられた持続的需要が見込まれるとした。
シマンドゥ鉱山は長期的に供給増も、鉄鉱石市場全体に余地あり
2025年からアフリカ・ギニアのシマンドゥ鉱山が稼働を始める予定だが、初年度の生産量は限定的で、本格的な増産は2030年までに1億2千万トン規模に拡大すると見込まれている。
ウッド氏は「シマンドゥはピルバラに取って代わる存在ではない。世界の鉄鉱石取引市場は15億トン超あり、供給不足への懸念の方が重要」とし、今後10年間で約2億5千万トンの資源枯渇が進むとの見通しも示した。
豪州産鉄鉱石の輸出額は2025年6月までに1170億豪ドル(約11.6兆円)に達すると予測されており、鉄鉱石価格は平均85米ドル/トンと見込まれている。4月3日時点のピルバラ発北東アジア向けの輸送コストは9.3米ドル/トン。
JPモルガンのアナリスト、リンドン・フェイガン氏も「鉄鉱石価格暴落の懸念は誇張されている」と述べ、フォーテスキューなど鉄鉱石大手の見通しに対して強気の姿勢を示した。
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