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エスコンディダ鉱山が牽引、銅1.5百万トン・WAIO鉄鉱石も記録更新
BHPは2025会計年度第3四半期までの9カ月間で、銅と鉄鉱石の生産量において過去最高記録を樹立した。中核であるチリのエスコンディダ銅鉱山では前年同期比20%増となる333,000トンを生産し、同社の銅生産量は累計150万トンに達した。これは2024~25年度通期ガイダンスの上限に近い数字である。
同社は、今後10年間でチリの銅資産に204億豪ドル(約1.3兆円)を投資し、さらなる増産を計画している。南オーストラリア州の銅鉱山も堅調で、四半期ベースで78,900トンと前年同期比11%増となった。
WAIOでの鉄鉱石生産も好調
BHPは西オーストラリア鉄鉱石(WAIO)部門でも、直近9カ月間で6,010万トンの鉄鉱石を生産し、記録を更新した。これはサイクロンZeliaおよびSeanの影響を受けながらも、前四半期比7%増となる。
同社CEOのマイク・ヘンリー氏は、「困難な市場環境下でも、BHPは安定した供給網と現場から港までの一貫したオペレーションで高い成果を挙げている」と強調した。
さらに、BHP三菱アライアンス(BMA)の製鋼用原料炭も、オープンカット鉱山の強化により過去10年以上で最も多雨だった雨季を乗り越え、5%増となった。
多様性と脱炭素化でも前進
BHPは人材戦略においても成果を上げている。2016年に掲げた「2025年までに男女比50:50」を目標とする取り組みにより、女性比率は40%に達した。これは9年間で23ポイントの上昇である。
一方で、温室効果ガス排出量の削減についても、2030年度までに少なくとも30%削減する方針を維持しており、BHPは脱炭素と成長の両立を目指している。
米国による新たな対中関税については「直接的な影響は限定的」としつつも、同社は「高利益率と高リターンの成長機会を活かせる立場にある」と述べている。
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