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アルゼンチンでの新鉱山稼働、2025年に13,000トン生産を目指すも市況は供給過剰
フランスの資源大手エラメ(Eramet)は、2025年に13,000トンの炭酸リチウム換算(LCE)を生産する計画を発表した。これは、同社がアルゼンチン北西部で進めるセンテナリオ・リチウムプロジェクトの本格稼働によるものだ。2024年に操業を開始し、2025年には通年稼働体制に入る見通しだ。
同プロジェクトは、チリ・ボリビア・アルゼンチンの3カ国にまたがる「リチウム・トライアングル」内に位置し、世界の電気自動車(EV)バッテリー市場を支える重要な供給拠点となる。エラメはリチウム事業への本格参入により、電池材料分野での影響力強化を図っている。
市況は供給過剰で価格急落、品質差別化が鍵に
一方で、世界市場では供給過剰による価格下落圧力が高まっている。エラメによると、電池グレードの炭酸リチウム価格は前年比68%急落。中国の旺盛な需要が続く中でも、市場は過剰供給に晒されており、同社も製品品質に応じた価格割引を検討しているという。
この動きは、今後のリチウム市況が長期契約や製品差別化の競争に左右されることを示している。価格よりも安定供給と高品質の確保が、生き残りの鍵となりそうだ。
エラメの挑戦は、品質を維持しながら利益を確保する持続可能な事業運営にある。リチウム価格の乱高下が続くなかでも、信頼性と供給力を武器に市場での地位を築けるかが注目される。
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