チタンは米国新関税から除外 航空宇宙業界への影響は依然不透明

チタン

チタンの除外措置で一部業界に安心感も 航空宇宙産業全体への波及は読めず

2025年4月2日 米国のドナルドトランプ大統領は 外国製品への新たな関税措置を発表したが チタン チタンスクラップ フェロチタンは除外対象となった チタン製品への関税回避は業界には朗報だが 航空宇宙産業への広範な影響は依然として不透明なままだ

チタンの除外措置とその波紋

今回発表された新関税では ハフニウム モリブデン バナジウム ニッケルスクラップ アルミスクラップなどが対象となった一方 チタンは様々な形態で免除された

ただし 既存の対中制裁措置に基づく中国産チタン製品への関税は継続されており 3月4日から適用されている20パーセントの関税に変更はない また 中国産のチタニウムスポンジに対しては 従来通り60パーセントの関税が課される

日本 カザフスタン サウジアラビアからの未加工チタン輸入にも 引き続き15パーセントの関税が課されているが スポンジ製品に関しては除外を求める動きもある

一方で EUおよび英国からの米国向けチタンスクラップ輸入に関しては免税措置が維持された これらの地域は米国の真空等級スクラップ供給の半数以上を占めており 国内での供給が不足している現状では 業界への影響を避けるための重要な決定といえる

航空宇宙産業への影響は限定的か

今回の措置でチタン関連の部品供給に対する懸念は一部緩和されたものの 航空宇宙産業全体の供給網に与える影響は依然として見通せない 特に国境をまたぐ部品製造を行うエンジン部品や最終製品への波及が懸念されている

例えば A320neoやボーイング737Maxに搭載されるLeap-1AおよびLeap-1Bエンジンの部品は複数国で製造されており その工程にチタンやニッケル合金 アルミ合金などが含まれている

なお カナダとメキシコは今回の関税対象から除外されており ボンバルディア エアバス RTX エルー・デブテックなどにとっては影響が限定されるとみられる

中国の報復関税で米国産チタンにも影響

米国の新関税への対抗措置として 中国は全米国製品に対し34パーセントの報復関税を発動した チタンの輸入量自体は少ないものの 中国は米国からの航空部品供給に依存している特に C919旅客機に搭載されるCFM製Leap-1Cエンジンは 米仏で組み立てが行われており 供給網への影響が出る可能性がある


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