欧州鉄筋価格、アルプスを境に価格差が拡大 ― ドイツで値上げ成功も、イタリアでは停滞

鉄筋

北西欧における鉄筋価格が地域間で二極化しており、特にドイツの製鉄所が価格引き上げに成功する一方で、イタリアのメーカーは価格維持に苦慮している。

中央および北部ドイツでは、鉄筋のベース価格が€400/トン(約460ドル)を突破し、価格は一部で€420/トンに達している。これは、Riva社のヘニグスドルフ製鉄所の長期停止による供給逼迫が背景にある。

これに対し、イタリアでは4月初旬に小幅な価格引き上げが試みられたが、復活祭前の週に撤回され、ベース価格は€320/トン前後に留まっている。

両市場に接するオーストリアでは、国内製鉄所が€20/トンの値上げを行い、ベース価格は€390/トンに到達したが、€400/トンには達していない。イタリアからの輸入価格も同水準で上昇しており、オーストリア市場では価格上昇の転嫁が困難であるとの声も上がっている。

南ドイツでは、イタリア製の鉄筋が€385/トン前後で流通しており、ドイツ製は€400/トン近辺でのオファーがあるものの、€420/トンには達していない。バイエルン地方の関係者は「南部ではイタリアの価格圧力が依然として強い」と述べている。

一方で、鉄筋よりも線材メッシュ(ワイヤーメッシュ)の価格上昇が顕著だ。最近のベース価格は€500/トンに達し、鉄筋価格との差は€80/トン。関係者は「通常のプレミアムである€100/トンを超える可能性がある」との見解を示している。

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