中国、「高純度石英」を新鉱物種に認定

石英

半導体・太陽光産業の戦略素材、輸入依存からの脱却へ

中国自然資源部は4月10日、「高純度石英(high-purity quartz)」を新たな鉱物種(第174種)に正式認定したと発表した。この動きは、半導体や太陽光発電などの戦略的新興産業に不可欠な素材の輸入依存脱却を目的としており、資源の国産化推進に向けた重要な一歩とされる。

高純度石英は二酸化ケイ素(SiO₂)純度99.995%以上の鉱物で、石英ルツボ(ソーラーシリコンウェハー製造用容器)の主原料である。これまで中国では、石英ルツボ製造に用いる高純度石英砂の大半を輸入に頼っていた。

新たな鉱床は、河南省の東秦嶺地域および新疆ウイグル自治区のアルタイ地域で確認されており、発見は中国地質科学院 郑州矿产综合利用研究所によるもの。

国産素材の試験使用も進行中

上海有色網(SMM)の太陽光業界アナリスト・鄭天宏氏によると、一部の中国石英ルツボメーカーはすでに国産高純度石英砂の試験利用を開始しており、製品の期待寿命に達したとの報告も出ている。

この成果は、中国が進めてきた戦略鉱物の自主調達化政策の一環であり、今後の供給安定化とコスト競争力向上に寄与する見込みだ。

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