メティンベスト、ウクライナ・欧州向けITソリューション展開を加速

Metinvest

ウクライナの鉄鋼・鉱業大手Metinvest(メティンベスト)は、グループ傘下のIT企業Metinvest Digitalを通じ、ウクライナおよび欧州市場へのITソリューションの本格展開を開始する構えだ。これは、同社CIOで取締役会メンバーのセルギイ・デチューク氏が「2U Tech Forum」で発言したもの。

Metinvest Digitalは、グループ全体で30以上の事業をIT面から支える独立型IT企業として、ウクライナ、イタリア、英国、ポーランド、ブルガリア、米国に展開。IT、セキュリティ、AI、分析など多岐にわたる分野で770人以上のスペシャリストを擁する。

同社は、産業用IoTやコンピュータービジョン、機械学習(ML)、大規模言語モデル(LLM)活用など、最先端技術を活かした製造業向けソリューションを展開。Azovstal製鉄所では、MLにより銑鉄中のシリコン濃度を制御し、年間100万ドル以上のコスト削減を達成した実績もある。

特にSAPソリューションによる東欧最大級のデジタル変革を実施。自社だけでなく、UkrnaftaやFUIB、Ukrtelecomなど国内外の企業にもRPAやERP導入支援を提供している。

戦時下であっても100種類以上のITサービスを稼働させる体制を構築しており、グループ内のデジタル化を通じて得たノウハウを外販展開するフェーズへと移行している。

デチューク氏は「社内向け変革を土台に、国内外顧客への展開準備は整っている」と語り、欧州の製造業や公共セクターに向けたデジタル基盤提供への意欲を示した。

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