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鋼材 |
市場の構造変化に対応困難、小規模加工業者に重い打撃
英国マンチェスターに拠点を置く鋼材サービスセンター「Malcolm Clarke」は、2025年6月までに事業を終了する方針を正式に表明した。4月2日付で公表された2024年6月期の財務報告書では、すでに「継続企業前提を適用しない」会計基準で作成されたことが明らかにされた。
同社は顧客および取引先に宛てた書簡の中で、既存および新規受注はすべて納期通りに履行し、取引先への支払いも閉鎖前に完了させるとしている。事業の整理過程により、完全な閉鎖は6月以降にずれ込む可能性もあるという。
市場と規制の不安定化が中堅企業を直撃
Malcolm ClarkeはArgusとのインタビューで、現在の事業環境について「市場および規制の不確実性が急増し、スポット市場中心に活動する中小企業の存続が困難」と説明。さらに「今後短・中期での改善は見込めず、市場構造そのものが恒久的に変化した」と指摘した。
同社は1970年設立で、重量用デコイリングライン2基を保有。リバーシングミルプレート(中厚板)の販売も手がけてきた。
今回の閉鎖は、中堅鋼材加工業者が直面する経営課題と、市場構造の変化による圧力を象徴する出来事といえる。
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STEEL