Novelis、英国ラッチフォード工場で水素によるアルミ再生炉テストに成功 CO₂排出90%削減

Novelis

米アルミ圧延・リサイクル大手のNovelis(ノベリス)は、英国ラッチフォード工場にて、水素を燃料としたリサイクル炉の実証試験に成功した。従来の化石燃料に比べ、最大90%のCO₂排出削減効果が確認され、同社は今後、欧州の複数拠点への水素炉展開を予定している。

この試験は、英国政府の「Net Zero Innovation Portfolio(ネットゼロ技術革新基金)」および、低炭素水素製造とCO₂回収を推進する地域プロジェクト「HyNet(ハイネット)」の支援を受けて実施された。Novelisは2017年からHyNetに参画しており、英国北西部と北ウェールズにおける脱炭素型金属製造の推進役を担っている。

ラッチフォード拠点、UBC再生能力倍増へ

今回の成果は、Novelisの持続可能性戦略の一環として位置付けられ、世界のアルミリサイクル業界への波及効果が期待される。2023年7月、同社は9,000万ドルを投資し、ラッチフォード拠点の使用済み飲料缶(UBC)リサイクル能力を年8.5万トン増強する拡張計画を発表。新設されるドロス処理施設、破砕・溶解設備により、年間35万トン以上のCO₂排出削減を見込む。

ラッチフォード工場長アラン・スウィーニー氏は「水素利用の成果は今後の全社的な技術展開に弾みを与える」と述べており、同社は2024年後半にも産業燃料転換プログラムの一環として、試験結果の詳細を公表する予定である。

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