NSW州が次世代クリティカルミネラル資源発掘に2.5百万豪ドルを投資

ミネラル

探鉱活動支援によりエネルギー転換の基盤強化へ

オーストラリア・ニューサウスウェールズ(NSW)州政府は、新たなクリティカルミネラル(重要鉱物)探査プロジェクトを発掘するため、2.5百万豪ドルの共同出資型シードファンディングプログラムを開始しました。

この新制度「クリティカルミネラル探査プログラム」は、NSW州の「クリティカルミネラルおよびハイテク金属戦略」の中核施策です。州内の鉱物資源開発を促進し、再生可能エネルギー製品のサプライチェーンを支えることを目的としています。

地球化学・地球物理・掘削調査に助成

プログラムは4つの資金支援枠で構成され、最大支給額は以下の通りです。
  • 地球化学調査:最大5万豪ドル
  • 地球物理調査:最大7万豪ドル
  • 250m未満の掘削:最大15万豪ドル
  • 250m超の掘削:最大25万豪ドル
応募企業には50%の共同出資が求められます。探鉱段階では、鉱床の規模や価値を評価するために詳細な調査が不可欠です。

州内に広がるプロジェクト群と投資機会

NSW州には既に190件の探査権が存在し、次の大型プロジェクトを模索しています。さらに、10件以上のプロジェクトが投資準備段階にあり、合計76億豪ドルの資本投資が必要とされています。これらは建設中に約4,600人、稼働後も2,700人の雇用を創出する見通しです。中でも、ASM社のダボ・プロジェクト(レアアース)やニンガンのスカンジウム開発は代表的な案件として注目されています。

NSW州には13か所の稼働中鉱山があり、主にセントラル・ウェストおよびファー・ウェスト地域で6,000人以上を雇用しています。NSW州のクリティカルミネラル開発は、風力タービン、バッテリー、太陽光パネル製造など、再生可能エネルギーインフラの中核資源供給を担う重要な位置づけとなっています。

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