POSCO、米ルイジアナのヒュンダイ製鉄新工場への出資を検討

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関税回避と北米戦略強化へ、韓国鉄鋼2社が提携交渉中

韓国の鉄鋼大手POSCO(ポスコ)は、Hyundai Steel(現代製鉄)が米国ルイジアナ州に建設予定の総額58億ドル(約8.5兆ウォン)規模の製鉄所プロジェクトへの出資を検討していることが分かりました。韓国経済紙『Business Korea』が業界関係者の話として報じています。

この協議は、米国による鉄鋼輸入品に対する25%の追加関税への対応策と見られており、建設費の一部をPOSCOが負担する見返りに、製品の引き取りや関税負担軽減を図る狙いがあります。

年産270万トンの電炉工場、現地雇用1,400人超を創出へ

Hyundai Motor Groupは、2025年から2028年にかけて米国に210億ドル規模の投資計画を公表しており、その中核にルイジアナ州の電気炉(EAF)製鉄所があります。年産能力は270万トンとされ、次世代自動車用高強度鋼材の生産を担う予定です。この工場により、1,400人以上の雇用創出が見込まれています。

Hyundai Steelは同工場の建設資金を自社と外部投資家で折半し、残りは融資で賄う方針です。POSCOは現在、主要な外部投資者としての地位を確保しており、出資比率や方式に関する協議が進められています。

一方、POSCOは過去にも米アラバマ州での製鋼所建設を計画していましたが、高い人件費などの理由で断念した経緯があります。今回の現代製鉄との提携が実現すれば、北米市場での再挑戦となると同時に、両社にとって関税回避とサプライチェーン強化の両面で大きなメリットとなり得ます。

ただし、POSCOが製造への出資権益を要求していることや、他の世界的鉄鋼企業からの関心もあるため、最終合意には時間を要する可能性もあります。

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