SyBridgeがCarbonとのDLS生産体制を拡充、米国内製造回帰を後押し

 SyBridge

シカゴ拠点の拡張で米国最大級のDLS生産拠点に

SyBridge Technologiesは、3DプリンターメーカーCarbonとの連携を拡大し、シカゴ拠点のDLS(デジタル・ライト・シンセシス)専用製造スペースを倍増すると発表した。この初期投資は、北米で進む製造業の回帰(リショアリング)需要に対応し、生産能力の強化を目的としている。

SyBridgeは過去8年間にわたりCarbonと提携しており、これまでに約200万点の部品をCarbonのDLSプラットフォームで製造してきた実績を持つ。今回の設備拡充により、北米最大級のDLS生産体制を構築し、米国内でのサプライチェーンの安定化、関税回避、コスト削減を可能にする。

DLS技術の特徴と戦略的メリット

CarbonのDLS技術は±40ミクロンの高精度で、従来加工では困難な複雑形状や柔軟なラティス構造も容易に造形可能。SyBridgeはこの技術を活用し、高機能性と経済性を両立した大規模3Dプリンティング生産を実現している。

DLSは単なる試作用途に留まらず、量産対応・最終製品グレードの部品製造に強みを発揮。特に色調やデザインの自由度が高く、消費者向けアプリケーションに適している。

過去の活用例:Adidasの4Dミッドソールや医療用途にも展開

DLS技術は、Adidasの「4DFWD」や「Futurecraft 4D」シューズの3Dプリントミッドソールにも採用され、最大3倍の前方推進力を実現。スポーツ用ヘルメットの内装材や歯科モデル、インプラントガイドなど、医療・スポーツ分野での応用も進展している。医療用にはFDA認可済みのDENTCA樹脂とM2プリンタが用いられている。

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