ロシアVEB、バイムスカヤ銅プロジェクトに約1.1兆ルーブル投資


年間銅生産25%増を見込む極東鉱山開発が始動

ロシア国営開発銀行VEB.RFは、極東チュクチ自治管区のバイムスカヤ銅プロジェクトに約1.1兆ルーブル(134億ドル)を投資すると発表した。同プロジェクトの操業により、ロシアの銅生産量は25%、金産出量は4%増加すると見込まれている。

1972年に発見されたバイムスカヤ銅鉱床は、世界有数の大型銅資源であり、12の主要鉱床(銅・金・銀)が確認されている。鉱山および選鉱施設(GOK)の建設には最先端の直接浮選技術が採用され、約6,000人の雇用と3兆ルーブルを超える税収効果が期待される。

北極圏の戦略拠点化とアジア向け物流の再編

バイムスカヤ計画は、プーチン政権が重視する北極戦略経済圏構想の一環として推進され、制裁回避を目的としたアジア向け輸送強化が進められている。NSR(北方海航路)経由での輸送を視野に入れ、年中運用可能な港湾ターミナルと鉱床から港を結ぶ428kmの全天候道路が建設される予定だ。

この開発は、「極東・バイカル地域社会経済発展戦略(~2025年)」および「チュクチ自治管区発展戦略(~2030年)」に基づき、国家的プロジェクトとして位置づけられている。

JORC準拠資源量:銅990万トン、金1,660万オンス

バイムスカヤ鉱区内のペシャンカ鉱床には、JORC規格で銅990万トン(平均品位0.39%)、金1,660万オンス(平均品位0.21g/t)の測定・概測・予測資源量が確認されている。新技術と極東優遇政策を背景に本格開発が進展しており、ロシアの非鉄金属輸出の成長エンジンと位置づけられている。

バイムスカヤ・マネジメントのCEOゲオルギー・フォーチン氏は、「単なる鉱山ではなく、世界市場での競争力を持つ北極圏の新たな産業拠点を構築する」と述べている。

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